ヘラクレイトスからルネ・マグリットへ 哲学でアートを見る方法
こんにちは。Masakiです。
哲学やアートは何かと難しく感じるジャンルですよね。
哲学は知識がないとわからない、現代アートは意味不明で良さがわからないとか。
まあ確かにそういう面もあるのですが、
この2つのジャンルは「答えのないクイズ」みたいなものです。
評論家がもっともらしい答えを提示したとしても、それが絶対的な正解とも限りません。新しい考え方がどんどん生まれ、過去の人は否定されます。
クイズ番組が気軽に見れる人は、哲学とアートも見れる人です。
自分なりに考えて答えを出す。正解かどうかはわかりません。
ツァイガルニク効果によって考え続けることになりますが、その思考が人生を豊かにするのではないでしょうか?
今回は哲学者ヘラクレイトスを通して、アーティストのルネ・マグリットの作品を独自に解釈します。
ヘラクレイトスとは
ヘラクレイトスは前540年頃生まれたとされる哲学者です。
厭世家であったため「暗い哲学者」と言われていました。
悲観的に考える人はいつの時代にもいますよね。
彼は、宇宙の原理(アルケー)は火だと主張しました。
火は常に同じ状態に見えますが、油が消費されたり煤が溜まったりしています。
状態の保存と変化が同時進行しているのです。
ヘラクレイトスは「万物は流転する」と結論づけました。
「同じ川に二度入ることはできない」とう言葉があります。
これは、川の水が絶えず流れていることを表現しており、万物の流転(移動や変化)を端的に表しています。
ルネ・マグリットとは
ルネ・マグリット(1898年11月21日〜1967年8月15日)はベルギーの画家です。
デペイズマンをたくみに利用するシュルレアリスト。
デペイズマン (仏: Dépaysement) とは、「異なった環境に置くこと」を意味するフランス語で、シュルレアリスムの手法の1つ。日常から切り離した意外な組み合わせを行うことによって、受け手に強い衝撃を与えるもので、文学や絵画で用いられる。
シュルレアリスム(仏: surréalisme[1]、英: surrealism[2])は、フランスの詩人アンドレ・ブルトンが提唱した思想活動。一般的には芸術の形態、主張の一つとして理解されている。日本語で超現実主義と訳されている。シュルレアリスムの芸術家をシュルレアリスト(仏: surréaliste)と呼ぶ。
中略
「シュール」は「非現実的」「現実離れ」の意味によく使われる。
「ヘラクレイトスの橋」
引用元:https://www.musey.net/2417
この画像はルネ・マグリットが1935年に制作した「ヘラクレイトスの橋」です。
ここからは私の勝手な解釈を3つあげてみました。
妄想も混じってますがどうぞ。
独自解釈①
ヘラクレイトスは川面に映った橋に驚きます。
なぜなら目の前に広がるのは川と山、雲だけだからです。
そして唖然としている間に現物の橋が現れました。
タレスは「アルケー(起源)は水である」と言いましたが、それが証明されたシーン。
自然哲学の始まりが真実だったのではないか、現実と夢の間でそんなことを考えている一枚。
独自解釈②
川の流れは常に起こっていて、そこに流れる水は移り変わっていきます。
それでも川というものは確かに存在しています。
一方で固定されている物質である橋は、永遠に存在するかに思えますが少しづつ風化し確かに消滅していくものです。
独自解釈③
マグリットはヘラクレイトスの言葉をヒントにしてこの絵を描きました。
流転するのは現実の世界そのもの。
当たり前だった概念や社会システムもスピーディーに変わっていきます。
そこにあったはずの橋も幻であり、かつ現実世界にあるものです。
川面に映る橋は常に同じに見えますが、水の流れによって姿を変えていきます。
どうでしょうか?
全然違うんじゃない?って思いますかね。
おそらく専門家の人は答えらしきものを知っているはずです。
ただ私はそれを知らないので、自分の頭で考えました。
これこそが答えのないクイズです。
なんだこんなもんでいいのかって思いませんか?
考えて絵を見ると何か新しい発見がありますし、美術館で鑑賞する時にも役立つはずです。
あなたなりの解釈をしてみて下さい。
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